こんにちは、35歳のモモです。
ファイナンシャルプランナー2級の資格を持ち、実際に仕事で10年以上投資信託を販売してきた私から、意外と気づいていない金融商品の性質や特徴などについてお話したいと思います。
今回は、個人的にNISAのデメリットと思っている点である、ロールオーバーに関する内容になっています。
ロールオーバーをするかどうか迷っている方は参考にしていただきたいです。
年末が近づいているので、2016年にNISAで株や投資信託を購入し現在まで保有している人は、各金融機関からロールオーバーの案内が送られてきていることと思います。
もうすでに手続きしてしまったよ!というあなたも、今ならまだ金融機関に連絡すれば修正は可能ですので、ぜひ最後まで読んでいただき参考にしていただけたらと思います。
私自身、NISAは2014年に制度ができた当初から利用しているのですが、2018年に「つみたてNISA」の制度が新たにできたと同時にそちらに移行したため、ロールオーバーができなくなっています。
その経験から思うところもあり、今回この記事を書かせていただいています。
※今回はNISAの話であり、つみたてNISAは関係ありません。
ではまず結論から、
今年の年末でNISAの非課税期間が満了する銘柄で、来年以降も引き続き保有し売却のタイミングをうかがう予定でありかつ現在含み損を抱えている銘柄についてはロールオーバーをしておくことを強く推奨します。
上記に該当しないものでもロールオーバーを選択する方がよいケースが多いかもしれません。
なぜロールオーバーした方がいいか、その理由についてはこれから説明していきますが、その前に、簡単にNISAのロールオーバーについておさらいさせていただきます。
・NISAとは、2014年1月にスタートした個人投資家のための税制優遇制度であり、毎年120万円の非課税投資枠が設定され、株式や投資信託の配当や譲渡益が5年間非課税となる制度である。
・ロールオーバーとは、5年の非課税期間が満了したあとでも、NISA(非課税投資枠)で保有していた株や投資信託を翌年のNISA(非課税投資枠)へ移すことで、再度5年間非課税で運用することが可能となる制度である。
・2020年12月末で5年の非課税期間の満了を迎えるNISAで購入した株や投資信託は2016年の1月~12月に購入したものである。
このNISAのロールオーバーは2014年、2015年購入分に続き、今年、制度ができてから3度目ということになります。
ある程度制度として浸透してきたことによって、当初はあまり想定していなかったNISAのデメリットが浮き彫りになってきています。
なぜ、結論で書いたようなケースでロールオーバーを選択した方がいいか、理由を3つに分けて解説します。
- ロールオーバーを選択しない場合、単に翌年のNISA枠を使用せず課税扱いとなるだけではなく
- 年末時点の評価額が元本として計上されるため
- 翌年に移行時の価格から上昇した状態で売却した場合、差額が利益としてみなされてしまい、当初の投資金額と比較して損をしている状態にもかかわらず課税されてしまう
そう、ロールオーバーを選択せずに課税扱いとした場合、年末時点の価格が元本として計上され、それ以降の上昇は値上がりしたものとしてみなされ課税されてしまうのです。
2020年は新型コロナウイルスの影響により、年初に株式相場が大きく崩れ、リートや資源国・新興国通貨が大幅下落し円高になるなどマーケットが荒れました。
その結果、株式市場こそ3月以降戻ってきていますが、上昇している銘柄の選別も激しく、2016年対比マイナスとなっているorマイナスではないが現在の価格での売却はもったいないと思われる銘柄が多数存在していると想定されます。
来年別の銘柄を買うためにNISAの枠は空けておきたい、という人もいるとは思いますが、当初の投資金額よりも下がっているにも関わらず課税される状況は心理的に結構複雑なものです。
ちなみに、私がNISAで保有していたのは投資信託なんですが、たまたまその状況になり、当初の投資金額トントンまで戻っているのにそこで解約したら数万の税金が引かれる状況で、いまひとつ腑に落ちないと思って、結局そのあと再び価格が下落したときに追加購入して取得単価を下げておきました。
反対に、ロールオーバーが必要ない人はどういう人かというと、
年内に売却する予定の人です。
または
来年のNISAで購入したい銘柄が既に決まっている人です。
気になった方はいつもの担当さんに連絡してみてくださいね。
もし私に個別にみてほしいという方がもしおられたらお問い合わせやTwitterで連絡をいただいても大丈夫です。
